『残酷』の由来。残酷の残って、何が残ってるの?
あなたは「残酷な話」と「酷な話」の違いを説明できますか?
私は出来ない!
と、いうことで、残酷の"残"って、何が残ってるの?
ちゃんと調べたのでまとめます。
結論から言うと、
「残酷」の「残」は、「残る」の「残」じゃなかった。
言葉の意味
まず、「残酷」の意味を確認。
理由なく人や動物に苦しみを与えて、平気な様子だ。
『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より引用
ちょっと辞典の個性が強く出ている記述な気はしますが、まあそうだよね、ってところでしょうか。
ちなみに「残」の付かない「酷」はというと。
度を過ぎてきびしく、少しも思いやりの無い様子だ。
『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より引用
とある。
新明解国語辞典的には、「理由なく」「人や動物に」「苦しみを」っていうのが、残酷と酷の違いなんですかね?
ともあれ、上記の通り「残酷」の言葉自体に、何かの残りと言った意味は含まれていない。
「残」は元々「のこり」じゃない
ではなぜ「残」が付くのか。「残酷」の「残」は何を示しているのか。
実は元々、「残」は「のこり」を意味する文字ではなく、
「斬り残す」「傷つける」「むごい」を意味する文字である。
元々は「のこり」を意味するのは、「食い残りの肉」という意味でもある「サン」という字が使われていた。
※「サン」の字が変換できず。歹へんに月と書く字(歹月)です。
そこから「残」の字が借用されるようになり、今では「残」が「のこり」を意味するようになった。
つまり「残酷」の「残」は「傷つける」「むごい」を意味する「残」だった、というわけである。
残忍や残虐なども、同様に「むごい」を意味する「残」が付いている例。
もちろん「残」が付く全ての言葉に「むごい」という意味合いが含まれているわけではない。
例えば「残響」とか「残像」とか。
今では一般的な「のこり」の意味の他に、元々は「むごい」という意味もあった、という話である。
「残業」は……「のこり」と「むごい」のどっちかなぁ(笑)
まとめ
「残酷」の「残」は、「傷つける」「むごい」の「残」。
肉体的だったり精神的に斬り刻むような、むごいことをしてるかしてないかが、
「残酷」と「酷」の違い、という所。
なるほどね~。
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ディスカッション
コメント一覧
残業の残は何が残っているのか
で、検索してたどり着きました。むごい。笑
閲覧&コメントありがとうございます!
お役に立てたなら幸いです!
残業から辿り着いたんですね(笑
むごい仕打ちを受けていないことを祈ります……!