『残酷』の由来。残酷の残って、何が残ってるの?

2019年11月26日

あなたは「残酷な話」と「酷な話」の違いを説明できますか?

私は出来ない!

と、いうことで、残酷の"残"って、何が残ってるの?

ちゃんと調べたのでまとめます。

結論から言うと、

「残酷」の「残」は、「残る」の「残」じゃなかった。

 

言葉の意味

まず、「残酷」の意味を確認。

理由なく人や動物に苦しみを与えて、平気な様子だ。

『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より引用

ちょっと辞典の個性が強く出ている記述な気はしますが、まあそうだよね、ってところでしょうか。

ちなみに「残」の付かない「酷」はというと。

度を過ぎてきびしく、少しも思いやりの無い様子だ。

『新明解国語辞典 第七版』(三省堂)より引用

とある。

新明解国語辞典的には、「理由なく」「人や動物に」「苦しみを」っていうのが、残酷と酷の違いなんですかね?

ともあれ、上記の通り「残酷」の言葉自体に、何かの残りと言った意味は含まれていない。

 

「残」は元々「のこり」じゃない

ではなぜ「残」が付くのか。「残酷」の「残」は何を示しているのか。

 

実は元々、「残」は「のこり」を意味する文字ではなく、

「斬り残す」「傷つける」「むごい」を意味する文字である。

元々は「のこり」を意味するのは、「食い残りの肉」という意味でもある「サン」という字が使われていた。

※「サン」の字が変換できず。歹へんに月と書く字(歹月)です。

そこから「残」の字が借用されるようになり、今では「残」が「のこり」を意味するようになった。

 

つまり「残酷」の「残」は「傷つける」「むごい」を意味する「残」だった、というわけである。

残忍や残虐なども、同様に「むごい」を意味する「残」が付いている例。

 

もちろん「残」が付く全ての言葉に「むごい」という意味合いが含まれているわけではない。

例えば「残響」とか「残像」とか。

今では一般的な「のこり」の意味の他に、元々は「むごい」という意味もあった、という話である。

「残業」は……「のこり」と「むごい」のどっちかなぁ(笑)

 

まとめ

「残酷」の「残」は、「傷つける」「むごい」の「残」。

肉体的だったり精神的に斬り刻むような、むごいことをしてるかしてないかが、

「残酷」と「酷」の違い、という所。

 

なるほどね~。

スポンサーリンク