「油断」の由来。落とすなよ!絶対に落とすなよ!

2021年4月21日

身近過ぎて由来なんて気にしたこともなかった言葉の由来を調べようシリーズ。

今回は「油断」。

 

いつ覚えたかもわからない位、非常によく用いられる言葉なので、

今まで由来なんて気にしたこともなかったですが、

ふと。

意味と字面、合ってなくない?なんで油?「あぶらだち」?

となったので、由来を調べてみた。

 

まずは「油断」の意味から

身近過ぎて逆に辞書で調べた事すらない。

とは言え、前提がズレてると大変だからね。

というわけで辞書的な「油断」の意味はこちら。

ゆだん【油断】

気をゆるして、必要な注意を怠ること。

~ 新明解国語辞典 第七版(三省堂)より抜粋 ~

「でしょうね。」って所でしょうか。

しかし、やはりと言うか。「油」も「断」も掛かってないように見える。

かろうじて「断」はまぁ「怠る」に繋がりそう……か?って位。

さっぱりわからず、考察しようとした所で妄想の域を出ない。

 

「油断」の由来(諸説あり)

で、本題の「油断」の由来。

油断 ゆだん

気を許して、必要な注意を怠ること。『涅槃経(ねはんぎょう)』の、満杯の鉢の油を一滴も落とさなかったため、王に殺されずに済んだ臣下の話から出た語、という説と、のんびりとの意の「寛に(ゆたに)」が音転した語、という説とがある。

~ 暮らしのことば新語源辞典(講談社)より抜粋 ~

※振り仮名部分のみ()で記載。

へー。

まず、「諸説あり」のパターンの様子。

「涅槃経」の説がいかにもって感じ。

「寛に」説は、何故「油」「断」の漢字を使うようになったのかというのが気になるかな?

こういうのは単なる当て字の可能性も高いんだろうけど。

 

ただ、「涅槃経」の説も、「油」はともかく「断」が出てきてないんだよなー。

と思ってたら、「油」になんか意味が有ったりするかなと引いたもう一冊に答えがあった。

【油断】

安心して、不注意になること。気を許すこと。

油の鉢を持つ者がうっかり鉢を落とすと罰として命を断たれるという「涅槃経」の話からといわれる。また、「ゆたに(ゆったり)」の転ともいう。

~ 漢字源 改訂第六版 (学研)より抜粋 ~

「油」を断つんじゃなくて、「命」を断ってたのね……。

まあ、油の入った鉢を落としたりしたら片づけ大変だもんね。止む無し。

 

こちらの本でも「涅槃経」説と「ゆたに」説が書かれてあるから、この2説が有力なのかな。

あくまで「諸説あり」パターンなので、「そういう説がある」という意識は忘れずに。

 

なるほどね~。

 

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